Jotaro’s TGO Challenge 2019 : Part 3 - Start-Day2

Jotaro’s TGO Challenge 2019 : Part 3 - Start-Day2

ジョータローの TGO チャレンジ 2019 : 3-スタート〜2日目まで

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成田を出発し、アムステルダム経由でエディンバラへ。アムステルダムでトランジットを兼ねて一泊する。

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アムステルダムからエディンバラへ。エディンバラ空港でLAから来たパートナーのジェイソンと合流して、市内のホテルへ。まだ、時差ボケがあるのでこの日はノンビリと休む。

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パッキングの最終チェックを行い、リサプライ用の物資を持ち、エディンバラ・ウェイヴァリー駅の手荷物預かり所にバックパックを預け、小分けしたリサプライ用物資だけ持って、駅近くのアウトドア・ストアへ向かう。ここでは、ガスキャニスターを購入し、その後駅に隣接したエディンバラ・シティ郵便局へ向かう。エディンバラ・シティ郵便局はこの界隈では最も大きな郵便局で、リサプライの物資を送るための段ボール箱なども販売していて係員の対応も良い。

エディンバラからグラスゴーで乗り換え、オーバンに向かう。
スタート地点の、スコットランド西海岸に位置する、港町オーバン

リサプライの物資は主に食料だが、ガスキャニスター、予備のバッテリー、靴下や下着等も入っている。リサプライ計画は合計2ヶ所。そしてゴール地点にも着替えや必要な物を送ることにした。

1ヶ所目は5日目に立ち寄る予定のダルウィニーというケアンゴームズ国立公園の西の外れにある小さな町で、同名のウイスキーの蒸溜所があることで知られている。ここにはTGOに協力しているグロッサリーストア兼B&Bがある。予めリサプライ物資を送って受け取れるかどうかを確認済みで、B&Bの他に、外にある芝生の庭がTGOチャレンジャーの為のキャンプ地として無料公開されている。

2ヶ所目は、10日目に通過予定の、ケアンゴームズ国立公園のほぼ中央部に位置するブリーマーという町のポストオフィス。この郵便局はコンビニエンスストアが兼務しているらしく、予めこの局へ送って受け取れるかを確認済みだ。ここではPost Restanteというサービスを利用し、局留めで送ったものを該当する局で受け取れるサービスだ。詳細は下記リンクを参照いただきたい。

https://www.postoffice.co.uk/mail/poste-restante

そして、3ヶ所目はゴール地点の町のモントローズ。最終的に全チャレンジャーが集まりパーティを行うホテルを予め予約しておいたので、そこへ送る。

ムール貝とクラムチャウダーで腹ごしらえ

 

「行動酒」として購入したブルックラディ

 

リサプライ物資の送付を終え、駅に戻り、スタート地点のオーバンに行く列車に乗った。

エディンバラを出た後、グラスゴーで乗り換える。グラスゴー駅のホームには、おそらく他のTGO参加者とみられるバックパックを背負った人々が多数集まっている。こういう風景を見ると、気分が高まってくる。

すると、後ろの方から「ヘイ、ジョータロー!」という声がしたので振り返ると、なんとZPacksのブランドマネージャーのマテオが他のZPacksのメンバーと共にいた。彼とは毎年オレゴンで開催されているPCT Daysですっかり顔なじみになっていた。マテオと挨拶を交わしていると、となりにZpacksのファウンダーであるジョー・バレスコがいたので紹介された。そして、お互いのTGOチャレンジの無事と健闘を祈りあった。後述するが、彼とは10日後に再び出会うことになる。

列車を乗り換え、オーバンに到着。予め予約しておいたホテルにチェックインし、街を散策する。ここには1月に下見に来ていて、勝手がわかっているので気が楽だ。市内には有名なオーバン蒸溜所もあるが、見学しているほどの時間はない。街にはウイスキー専門店があり、そこでTGOの「行動酒」としてブルックラディの20clのボトルをゲットした。

翌日のTGOのスタートに際しては、予め決められた場所に行きサインアウトしなければならない。我々のルートはここ港町のオーバンから、翌日の午前7時にはフェリーでリスモア島に渡る計画なので、サインアウトが開始される翌日の午前9時にはもういない。したがって、前日に予めサインアウトしておく必要がある。町の外れにあるユースホステルに設置された受付でTGOのサインアウトを行う。

サインアウトが完了し、明日からいよいよTGOの開始だ。パートナーのジェイソンと港町らしい魚介料理を出すレストランで明日からの英気を養うべくムール貝やクラムチャウダーを味わった。

 


510日:Day 1

6時に起床。雲は出ているが、天気は悪くなさそうだ。まぁ、スコットランドの天気だからあまりあてにならないが、雨が降っていないだけ幸先が良いと言える。

我々の採用したルートはオーバンからいきなりフェリーに乗り、対岸にあるリスモア島に渡るというものだ。このルートは過去のルートを検索している時に見つけたものだ。フェリーを使わない場合は、オーバンから暫くは退屈な丘陵地帯を縫って走る舗装路を抜けていかなければならないので、トレイルのあるリスモア島にフェリーで渡り、北東への距離を少しでも稼いでおきたかったのだ。

オーバンから、対岸のリスモア島を望む。

 

フェリーの船内にて

フェリー乗り場に到着すると、すでに何名かのハイカーがいた。やはり、このルートはよく知られているのだろう。結局、我々を含めて、8名くらいのチャレンジャーが乗船した。お互いTGOチャレンジャーだとわかると、皆すぐに打ち解けて、話が弾んだ。さらに、日本から来ているというと、皆一様に驚いてくれたり、何故TGOにチャレンジしようとしたのかとか、話題は尽きなかった。この船に乗船している人たちは、我々以外は、皆過去に複数回のTGOを完歩している人たちだった。「TGOは素晴らしい体験だから、一度経験するとまたやりたくなるのよ。」この言葉の意味は、その時にはまだ100%理解できなかった。

朝出ていた雲は、天気を崩すほどでもなく、次第に晴れてきた。船から見える景色も すばらしい。そうこうしているうちに、小一時間ほどでリスモア島に到着した。

フェリー埠頭にからはそれぞれトレイルに入っていく。我々も、自分のルートと照らし合わせて、同じ方向で同じトレイルなので、一緒に歩き出した。しばらく行くと、船で乗り合わせた人たちとは別のグループと遭遇した。そのうちのひとりが、「あなたはLOUCS GEARのジョータローかい?。俺はCP3使ってるよ。とても気に入ってる。」とトレッキングポールを見せてくれた。日本人の参加者は初めてなのですぐにわかるのだろう。「そうだよ。ありがとう!」とお礼を言った。スコットランドの離島で、自分のブランドのプロダクツを使っている人々と触れ合えるのは、なんともブランド冥利に尽きる。

リスモア島のフェリーターミナル

 

リスモア島を歩く

 

古城の跡地

 

本島への渡し船

 

小高い丘まで上がると、フェリー埠頭から海まで見下ろすことができた。丘の中腹には羊の群が緑の絨毯の上の白い斑点となって散らばっている。それにしても良い天気だ。もっとも、この天気がそうは長く続かないだろうとは考えるに容易だった。なにせ、ここはスコットランドなのだ。

しばらく歩くと、古城というか要塞の跡地のような場所にたどり着いた。ここは、ルートの審査員がこのルートを行くなら立ち寄るといいよ、とお勧めしてくれたところだ。朽ちた石積みや円形の構造物は歴史を物語っている。

オフトレイルを下り、島の生活道路のようなところに出ると、別の一団に遭遇した。その中には明らかに70代を過ぎている年配の人もまじっている。彼女は複数回にわたりTGOを完歩しているという。「TGOをリタイアするもっとも多い原因はブリスターよ。足に違和感を感じたら早めに処置をしたほうがいいわよ。」というアドバイスをもらった。このアドバイスは、後々大きな意味を持つことになる。

そうこうしている内に、リスモア島の北東の端にある船着場にたどり着いた。ここからは、漁船のような渡し船におよそ10分ほど乗って本土のアッピンという小さな港まで行く。

アッピンにはちょうど昼時にたどり着いた。他のTGOチャレンジャーもランチにするというので、船着き場の目の前にある小洒落たB&Bのレストランに立ち寄った。ここは、とても素晴らしい。地ビールとフィッシュパイで乾杯する。相棒のジェイソンはこの場所がいたく気に入った様子で、ここに泊まりたいと言い出した。しかしリスモア島をまだ8kmばかり歩いただけで、今日のノルマの1/3にも満たない。ここからキャンプ予定地まではあと16km以上ある。

アッピンのB&Bを後にして、TGO最初のキャンプ地となる場所を目指して歩き始める。しばらくは小さな集落が散見する場所をつなぐローカルな舗装路を行く。途中から、グラベルの作業道なようなところを経由し、さらに交通量の多い国道を避けるためにサイクリングロードに入った。サイクリングロードを5-6km歩いたのち、舗装されたローカルなカントリーロードを歩く。

風景的にもあまり目を見張るようなものが無い、カントリーロードを約7-8km歩くと、今日のキャンプ地として目星をつけていた、道路から離れた川沿いのいい場所を見つけたので、ここをキャンプ地とすることにした。

ここは、川沿いのナイスな場所で、ここへきてようやくリモートな感じの場所へ来たという感じ。旅の疲れもあり、初日は24kmの道のり。

サイクリングロードを行く

 

Camp 1

 


511日:Day 2

釣り人のサガか、川の流れのそばのキャンプサイトはとても落ち着く。朝一のテントからの眺めも素晴らしい。

また、水場が近いのは便利で心が安らぐ。

早速、お湯を沸かしコーヒーを淹れ、クレームブリュレを朝食にする。

午前8時、身支度をして2日目をスタートさせる。しかし、天気が良い。朝から快晴だ。カラッとしていて、晴わたる青空を見上げると、まるでカリフォルニアにいるような気分になる。

テントからのキャンプ1の眺め

 

2日目の朝は快晴

 

しばらく歩き、いくつか農場を越え、Glen Ureの渓谷沿いのグラベルの作業道路を高度を上げながら歩いて行く。峠に差し掛かると、作業道は消失し、ここからはオフトレイルとなる。数百メートル先に目印となる森が見えるのでGPSとその森を頼りに進んでいく。

グラベルの峠道

 

このオフトレイルで、今回初めての「ボグス」と呼ばれるスコットランド特有の湿地帯に遭遇した。足元は非常にぬかるんでいるので、思うようにテンポよく歩けない。ルートの審査員から、この森林の境界沿いに進むと峠を越えられるというアドバイスをもらっていたので、その通りに進むが、湿地がかなり厄介で下手するとくるぶしまで泥に埋れながら進むことになるので、とても厄介だ。この「ボグス」にこの先もかなり手こずることになる。

オフトレイルの峠越え。コンパスかGPSが無いと瞬く間に方向を見失う。

 

なんとか、「ボグス」をしのいで、峠を下り、エティーブ胡のほとりにたどり着いた。

この湖の辺りで、昼食にして、相棒のジェイソンが湖から汲んだ水で湯を沸かしてコーヒーを淹れたのだが、なんだかしょっぱいと言う。「もう結構内陸だから、そんなはずないだろ?」と思って飲んでみると、なるほど少ししょっぱい。地図をよく見てみると、この湖はいわゆる海とつながっている「シー・ロッホ」で、海水よりは塩分は低いが十分しょっぱい半塩水だった。

このエティーブ湖から先は、エティーブ渓谷と呼ばれる風光明媚なエリアで、前回下見に来た時もインフォメーションセンターでこのエリアをお勧めされていた。

ここからは、また、10kmほど舗装路をいかなければならない。舗装路は、テンポよくスピードを上げて歩ける反面、膝や関節に負荷がかかりやすので、結構うんざりする。

ようやく舗装路から、シングルトラックのトレイルへ

 

歩いてきた道を振り返る。グレン・エティーブの素晴らしい眺め。

 

ここからは、また、10kmほど舗装路をいかなければならない。舗装路は、テンポよくスピードを上げて歩ける反面、膝や関節に負荷がかかりやすので、結構うんざりする。

ここら辺りから、相棒のジェイソンが遅れるようになったので、心配になった。聞いてみると、どうやら体調が芳しくないらしい。これは困った。

彼は、医療関係従事者なので、自分がどんな症状でどれくらいヤバいかは正確に判断できる。しばらく様子を見てみるが、どうやら風邪を引いたようだと言う。

舗装路を過ぎ、今度は上りのトレイルに差し掛かったが、かなりキツそうだ。いく末を思いやられるような、暗雲も出てきた。

額に手を当てると、かなり熱っぽい。その上、鼻水と咳も出ている。これは、まずいな。

なんとか、キャンプ2にたどり着き、テントを張ってジェイソンを休ませた。明朝、様子を見てこの先TGOを続けるかどうか判断することになりそうだ。

ジェイソンの様子とは裏腹に、このキャンプ2のロケーションは最高だ。グレン・エティーブのハイライトと呼んでもいい。

このキャンプ地から、明朝は背後に聳える山に登頂する予定だったが、これは状況的にも見送らざるを得ない。

本日の移動距離は、約21km。

Camp 2

 

夕食は「REAL TURMAT」のクスクス。ここのドライフードは、どれもこれも美味い。

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