JMT Section Hike 9 days 8 nights 2017 : Prolog
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JMT Section Hike : プロローグ
PCT Days 2017 in Oregon
2017年も昨年に引き続き、オレゴンのCascade Locksで8月19-21日に開催される『PCT DAYS 2017』に出展するためにアメリカにやってきた。
ちょうどこの時期は、PCTハイカー達がコロンビア川沿いのCascade LocksにあるBridge of the godを渡る時期にあたり、多くのPCTハイカーやこのイベント目当てにやってくる人々で賑わいを見せる時期だ。
我がLOCUS GEARの製品もPCTスルーハイカーを始め多くのアメリカ(特にオレゴン州ポートランド界隈)の人々の目に触れる機会を得て、非常に有意義なイベントだった。
ジェイソン(左)とフロリダ・トレイル、コロラド・トレイル、それぞれのコースレコードを持つPCTハイカーの二人。
「PCT DAYS 2017」のLOCUS GEARブース
Total Eclipse
タイミングよく、「PCT DAYS 2017」の翌日には、99年ぶりにアメリカを縦断する「皆既日食」をオレゴン州でも見ることができるという情報を得ていたので、現場を手伝ってくれたジェイソンと二人の友人とともに見に出かけた。
同行した友人の元同僚(元NASAの関係者らしい)が2年前からリサーチした、100%の「皆既日食」を見れる最高の場所があるというので、ポートランドからジェファーソン山のさらに南東にある360度見渡せる小高い山の頂まで出かけて行き、この希代稀な天体ショーを満喫することができた。
皆既日食を見るのは今回が初めての体験。日食が始まると徐々に太陽が月の陰に隠れるプロセスを、日食観賞用グラスと自動追尾の望遠鏡で観測するのだ。食が始まってしばらくすると、ほぼ真っ暗となり周囲360度が夕焼けのような状態になる。今まで写真やビデオでしか見たことがなかった「皆既日食」の真っ只中にいるということはかなりエキサイティングな体験だ。簡易な日食観賞用グラスでも太陽がすっぽりと月の陰に覆われて光輪だけになるのが観れる。たった2分強の天体ショーだが生涯忘れることができない体験となった。
「皆既日食」の後、早速、一路オレゴンからカリフォルニアに向けて車を走らせた。
(太陽の動きを自動追尾する望遠鏡で日食を観測する。)
( 日食観測を行うための絶好の360度見渡せる台形状の山頂で集まった人々)
(望遠鏡の接眼部にiPhoneのカメラを合わせて撮影する)
(100%皆既日食の瞬間を捉えた)
Snow Issue 2017
2017年のJMTは、夏になっても雪が多く残り、大量の雪解け水で増水した川の渡渉で多くの怪我人が出たり、残念なことに日本人ハイカーを含む2名の命が犠牲となっていた。
この事に関しては、2017年1月にイースタン・シエラを訪れた際に、地元の人々ですら5年ぶりの大雪だと騒いでいて、すでにこの夏のPCT、JMTを含むハイ・シエラ一帯の行動に関しては、残雪と、河川の雪解けによる増水によるリスクが高いであろう事が当初から予測されていた。
しかし、8月も後半に差し掛かり、状況が随分変わって来ているとの報告がフォーラム等で見られるようになり、これなら問題無いということで、当初、JMTのオルタナティブ案として挙げていた「ロスト・コースト・トレイル」行きを変更して、急遽JMTのセクション・ハイクに行くことにした
JMTはとても整備の行き届いた素晴らしいハイキング・ルートなので、ルートを見失ったりするということは稀である。しかし、ここを歩くということは圧倒的な大自然の懐に長期間に渡り足を踏み入れるのだということを常に忘れてはならない。その年の気象情報や地元のオーソリティーからの的確な情報を得ること、またこのエリアに関わるハイキング関連のフォーラム等から実際に自分が行こうとする時期直前の最新の情報収拾を行い、余裕を持った適切な行動計画を立てる事は非常に重要である。
(2017年1月、Conviction Lakeの湖畔でのDjedi Dome Prototype)
(2017年1月、Crab Cookerの露天風呂にて。普段は雪が積もることのないこのエリアも雪に覆われていた。シェルターはKhufu DCF-B)
Mammoth Lake
オレゴン州ポートランドからカリフォルニア州マンモス・レイクまでおよそ700マイル=1,130kmを丸一日かけてひたすら走る。
マンモス・レイクは、JMTにアクセス可能なイースタン・シエラの街で、冬はウインタースポーツ、夏はハイキングからクライミング、フィッシング等すべてのアウトドア・アクティビティーが楽しめる、ロサンジェルスから最も近いリゾートとして人気がある最高の場所だ。
ディナーの後、マンモス・レイク名物の露天風呂に行き、キャンプ。満天の星が美しい夜だった。
(2017年8月、マンモスの友人宅てBBQ)
(マンモスの露天風呂でリフレッシュ&キャンプ )
(露天風呂のすぐ傍でキャンプ。満点の星空とKhufu HB。)
Bishop
翌朝、マンモス·レイクからビショップに向けて小一時間ほど車を走らせ、JMTのパーミッションを得るためにWhite Mountain Ranger Station Visitor Centerを訪れた。
パーミッションを取得するためには、全体の行程、キャンプ地、ベア・キャニスターの有無等の行動予定や装備を伝えなければならない。ベア・キャニスターはJMTの全行程を通して必須で、持っていなとパーミッションがおりない。(もし持っていなければ、ビショップのレンジャー·ステーションでレンタルすることが可能。)
昨今、JMT人気が非常に高く、ピーク時のヨセミテでは人が多すぎてパーミッションを取りずらいという状況が続いているが、マンモス・レイクやビショップ界隈からのセクションハイクであれば、比較的容易にパーミッションが取得できる。
その後さらに、Mac’s Sporting Goodsという地元のフィッシング·ギア専門店に行き、10日分のフィッシング·ライセンスを$47で購入。今回のJMTセクション·ハイクはかなり土壇場で決まったので、足りない装備や食料その他必要なものをビショップのEastside Sportsというアウトドア·ショップで調達することに。
( White Mountain Ranger Station Visitor Center )
今回のJMTの行程は、この辺りに詳しいジェイソンのアイデアだ。
オニオン·バレーからケアルサージュパス・トレイルを通り、JMTに合流、そしてパイユパス・トレイル経由でノース・レイクに抜けるというもので、予定では9泊10日。距離にして約100マイル=160kmである。1日あたり平均10マイル=16km歩けば良い計算だ。(距離的には一見かなり緩い感じなのだが、歩く平均標高が3,100mと高いののと、休息日および釣りをするため、比較的余裕のある日程にしてある。)
JMTはPCTの中でもベストパートの一つで、そのJMTの中でも今回のルートはベスト・パートと言えるだろう。つまりベスト・オブ・ザ・ベストなのだ。
(レンジャーステーションでパーミッションを申請)
(Bishopの友人宅でBBQディナー)
その夜はビショップの近くでクライミングポイントとして有名なパイン·クリークでキャンプ。
ビショップには、ジェイソンの友人のマイクがいて、今回の移動に協力して貰った。老舗のベーカリーErick Schat’s Bakeryで結構ノンビリと朝食をとり、パッキングをすませ、昼頃マイクの家へ行き、トレイルヘッドまで送ってもらう事になった。
具体的には、二台の車でビショップから終着点のノースレイクのトレイルヘッドまで行き、そこに我々が借りているレンタカーをデポ。マイクの車に乗換え、出発点のオニオンバレーまで送ってもらうという手段だ。
ビショップから終着点のノースレイクまでは32km=20マイル、約30分、ノースレイクから出発点のオニオンバレーまでは120km=75マイル、約1時間30分である。
今回は、ポートランドからロサンジェルスまで、およそ3週間レンタカーを借りていたので、移動はかなり自由だった。レンタカーがなくてもバスやタクシー、シャトルをうまく組み合わせれば、マンモスレイク~マンモス·ヨセミテ空港~ビショップ~インデペンデンス間の移動、さらにトレイルヘッドまでの移動も不可能ではないはずだ。しかし、レンタカーに比べると自由度はかなり落ちる。
このようにして、2017年8月26日、我らのJMTセクション·ハイクが始まった。
(今回の、JMT セクションハイク全行程Goole Earth イメージ)
*今回のトリップに関わるGoole Mapのマイ・マップリンク
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