JMT Section Hike 9 days 8 nights 2017 : Part 1
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Day 1 : Onion Valley – Camp 1
車で出発点のオニオン·バレーまで送ってもらったマイクとビショップを出る前に話し込んだり準備に手間取ったりしたため、トレイルヘッドに到着した時間が随分遅くなってしまった。 午後4時30分、オニオン・バレーを出発。 標高約2,800mのオニオン・バレー・トレイルヘッドから約3,600mのケアルサージュ・パスまで,、比較的なだらかでよく整備されたトレイルの標高を上げて行く。このトレイルはJMTとの接続ポイントまで約12km=7.2mileで、ケアルサージュ・パス・トレイルと呼ばれている。 トレイルには、ヤマヨモギやマンザニタといった灌木が所々に見られ、幾分乾燥気味で埃っぽく、所々に大きめの岩が散在している。パスまでのトレイルの脇には、乾燥した土地とは裏腹に、雪解け水を満々と水をたたえた池というか、湖があちらこちらに点在している。
オニオン・バレー・トレイルヘッド
オニオン・バレーのトレイル・ヘッドから行く先を見上げる。
University Peak(4,141 m / 13,589 ft) に連なる稜線
Big Pothole Lake
今回も足元は慣れ親しんだベッドロック·サンダルを選んだ。もちろん、雪渓のトラバースの際チェーンスパイクの着用や岩場も想定されるので、アルトラのローンピーク3.0もバックパックに装備してある。 2014年のワシントン州オリンピック·マウンテンの縦走以来、個人的には夏場の北米でのハイクにはサンダルが一番マッチしていると思う。 サンダルで歩く利点は、渡渉の際に濡れてもどんな靴よりもすぐ乾くし、何より靴擦れしたり、足がふやけて皮がむけるといったことが一切ない。しかし、サンダルでの長期間のハイクは普段から慣れ親しんでおかないと、足を痛めたり、ぶつけて怪我をするリスクがあるので、このあたりは注意が必要だ。決して万人向きとは言えないかもしれない。 実際、サンダルでトレイルを歩くと、靴を履いている時よりも足運びが慎重になるし、慣れるとぶつけたりすることはほぼ無くなる。今回の行程の中では、サンダルと靴を半分半分くらいで歩いたが、靴を履いている時に、相当慣れている靴にも関わらず足裏にブリスターができて違和感と痛みを覚えたのだが、サンダルに履き替えた途端、痛みと違和感が解消したのは特筆するべき事柄だろう。
Bedrock Sandal
朝早く出ていれば日が暮れる前にはJMTと合流できたであろうが、我々は午後4:30のスタートなので、ケアルサージュ·パスに着く頃には太陽はほぼ山の端に姿を消す寸前だった。また高度順応が十分ではないのと、今までの旅の疲労もあり、かなりスローペースになっていた。
しかし、このスロースタートのおかげで、我々はケアルサージュ·パスで息を呑むようなサンセット·ショーを見ることができたのだ。パスからは、遥かに連なる両手では数え切れないほどの4,000m級のハイシエラの山々が連なっているのが見え、この重厚かつ広大な山々の連なりにサンセットの神々しさが加わり、しばし時間が立つのを忘れて見入ってしまった。
ケアルサージュ・パスからのサンセット・ビュー
ケアルサージュ・パスの岩綾に登るジェイソン
日が落ちて、我に帰り、先を急ぐ事にした。残照でしばらくはトレイルが見える程度の明るさがあったが、すぐにヘッドライト無しではトレイルが見えなくなったので、Bullfrog Lakeの手前あたりで幕営適地を探し、Camp 1を設定した時はすでに午後8時を過ぎていた。
Good To-Goのタイカレーを食べ、バーボンを飲んで就寝。ポートランドのREIで調達したGood To-Goのタイカレーは、今回アメリカで調達した他のドライフードと比較しても、かなり美味しい。
Kearsage Pass Sunset Video
Day 2 : Camp 1 – Glenn Pass – Rae Lakes – Camp 2
昨夜、Bullfrog Lake手前に設定したCamp 1に到着した時は暗くてよくわからなかったが、朝になってまわりを見渡すと、目の前にKearsage PinaclesからUniversity Peakに連なるリッジラインが横たわる最高のキャンプ地だった。天気は快晴で、朝から最高の気分だった。 JMTとのジャンクションまではあと数kmを残すのみで、今回のJMTセクションハイクルートの大部分が属するKings Canyon National Parkの真っ只中にすでに入っていると思うと、昨日ケアルサージュ・パスから見た壮大なサンセット・ビューと、今朝の眼前に広がるケアルサージュ・ピナクルの稜線が、一層高揚感を高めた。 まず、Jet Boilで湯を沸かし、StarbucksのVIAコーヒを飲む。朝食はBackpacker’s Pantryのビーフ・フォーを食べる。朝食後、素早くパッキングして、二日目を歩き始めた。
ケアルサージュ・ピナクルとDjedi DCF-eVent
Khufu HB at Camp 1
Camp 1で朝食をとるジェイソン
ケアルサージュ・ピナクルとKhufu HB
Camp 1からBullfrog Lakeを過ぎ、数キロ歩いてシャルロッテ·レイクの手前のJMTのジャンクションにたどり着いた。ここからが本当のJMTだ。
今回は10日間の日程でスケジュールを組んでいた。しかし、今回のルートでは途中で補給できる場所がなく10日分の食料全てを運ばなくてはならない。過去の経験から、できるだけ切り詰めた食料計画を立て余分なものを排除したのだが、それでも、普段10日分の食料をパッキングすることは稀なので、ズシリと重く感じる。
トレイルはよく整備されていて、まるで「ハイ·ウエイ」のように歩きやすい。シャルロッテ·レイクを超えると、今日の峠、グレン·パスだ。
Bullfrog LakeとMount Brewer( 4136 m / 13570 f)遠望
Glenn Passの手前の湖で水を補給する。水は澄んでいて、とても冷たい。
2014年のワシントン州オリンピック·マウンテンの縦断ハイク、2015年のコロラド州Maroon Bells-Snowmass Wildernessでのソロ·ハイキング、2016年のオレゴンでのバイク·パッキングとここ数年来、1週間以上のトリップには、ナビゲーション·システムとしてiPhoneのAppであるGaiaGPSを使用している。これは北米をハイキングしたりバイクパッキングしている多くの人々から絶大な信頼を得ているAppだ。 JMTの場合は、トレイルがかなり整備されているので、他のバリエーション·ルートのようにトレイルを見失ったりするということはないが、オフラインで使用できるGPSナビゲーションシステムはどんなトリップでも重宝する。コロラド·トリップの際は、行程の半分近くがオフ·トレイルのような感じで、幾度となくトレイルが消失したり見失ったりしたが、このGaiaGPSにあらかじめ仕込んでおいたルートとオフライン·マップのおかげで助けられた。もちろんもバックアップとしてコンパスとプリントされた紙の地図をいつも持参している。しかし、実際、使う機会がほぼゼロに等しく、自分的には、このiPhoneとGaiaGPSが最も信頼できるナビゲーションシステムと考えている。 今回もこのGPSナビゲーション·システムをメインにしていたので、iPhoneのパワー·マネージメントが大きな課題だった。その他、カメラのバッテリー、Apple Watch、AirPodのバッテリーを、一つのソーラー·パネルと2つのバッテリーで賄うことにした。 ここ数年来、いくつものソーラー·パネル·チャージャーを使用してきたが、日照のコンディションに関係なく、故障したりトラブルが発生したりで、どれ一つとしてまともに全てのバッテリーを賄うことができなかったという点で、信頼性が大きな問題点だった。 ところが、今回使用したAnker PowerPort Solar Lite とAnker PowerCore 10000mAh2個で、これらのデバイスを全て完璧に毎日フル活用することができた。もちろん、今回は全行程を通じて概ね天気が良く、十分にソーラー·パネルの性能を引き出せたことが大きい。
Ankerのソーラー・チャージャー
標高3,500mくらいまで上げて来たので、グレン·パスの直下にある湖の一つで水を補給する。素晴らしく澄んだ湖面には、まだ雪塊が浮いている。 標高3,635mのグレン·パスまでは、つづら折りのトレイルを、標高が高いためゆくっりと登る。 峠にたどり着くと、新たな地平が現れる。この瞬間はいつもワクワクする。峠に至る長くて曲がりくねったトレイを息を切らせながら登った後のこの瞬間は、いつも最高なのだ。峠からこの後に続くトレイルの行方と景色を見るのは、最高の褒美と言える。
グレン·パスを過ぎて標高を下げていく。そこには大小合わせて無数の、池や湖の点在するエリアとなる。その中でも最も大きく有名なのがRae Lakesだ。
Rae LakesはUpper、Middle、Lowerの大小三つの湖で構成されていて、JMTはこのRae Lakesを縫うように通っている。
Glenn Pass北側に点在する湖群とRae Lakes
Upper Rae LakeとBlack Mountain(4050 m / 13290 ft)
Lower Rae Lake を過ぎたあたりでCamp 2とする。トレイルから岩盤状の小高い場所まで上がって、キャンプに適したフラットな場所を探す。 JMTでのキャンプに関する約束事は、至って明瞭で合理的なものだ。日本のように指定幕営地以外ではキャンプしてはならないとかいうルールはない。キャンプするには、「地形が許すなら、全てのトレイルやウォーターソース(湖や川など)から最低100フィート(30.48m)は離れること。全てのトレイルから25フィート(7.62m)、全てのウォーターソースから50フィート(15.24m)以内では、いかなる場合もキャンプしてはならない。」というものだ。 Camp 2は、Fin Domeの眺めが良い場所でのキャンプとなった。しかし、周りに湖が点在する幾分湿潤なこのエリアのキャンプでは多くの蚊が発生していて、食事をするにもバグネットを装着しないと煩わしい状況となった。
Camp 2のKhufu HBとDjedi Dome。大量の蚊が発生しており、ジェイソンは頭にバグネットを被っている。
Camp 2にあらわれた、雄鹿。
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